グッドバイ [memories]


16の頃 僕は 
黒い壁にもたれて
朝も 昼も 夜も 
通り過ぎる人たちを眺めてた

流れる車のような
退屈な毎日
17号線を北に向かう
最終バスに乗る

別に自由が
ほしかったわけじゃない
ポケットの中に
溢れそうな苛立ち



「グッドバイ」渡辺美里(1989.7)(アルバム「Flower bed」)
作詞:渡辺美里、作曲:伊秩弘将





子供の頃から、「将来の夢」をちゃんと描いたことがない。
ある年齢までは、何かにつけて聞かれるのだ。
「大きくなったら、何になりたい?」



友達が、「お花屋さん」と言っても、
「幼稚園の先生」と言っても、
どれもピンとこなかった。
大体、私は、少しへそ曲がりな人間で、
人と同じ言葉を書くのが嫌だった。
でも、人から「変だ」と思われるのも嫌だった。



まあ、何かにはなるんだろう、と、ぼんやりと思っていた。
それは、
中学生になっても、
高校生になっても、
大学生になっても、
社会人になっても、
いつまでも、そう思い続けることになる。



高校1年生の時に、
「10年後の自分」という作文を書かされた。
当時、女子高に通っていた私のクラスメートたちは、
こぞって、
「好きな人と結婚して、可愛い子供に恵まれ、幸せな生活を送っています♪」
と書いた。
それをみた担任の教師は言った。



「みんな、意外とつまらないこと書くのね。がっかりしたわ。」



私もそう思った。
でも、それを否定もしなかった。
そういう人生もあるし、きっと幸せだろうとも思った。
でも、自分は違うと思った。



その時、私が書いた10年後の自分は、
一人部屋で死んでいる、という有様だった。



一応、ギャグだった。(笑)
誰も触れてくれなかったけど。



将来を悲観していたわけでもないし、
自殺願望があったわけでもないし、
本当に10年後に死ぬつもりはなかった。
でも、私には、10年後のビジョンが全く浮かんでこなかった。
だから、その作文の中の自分は死ぬしかなかった。。。



生きている事実に、「何か」なんていうカタチはあるものなんだろうか?
そこに存在していることが全てで、それ以上でも、それ以下でもない。



お金はあった方がいい
家族はいた方がいい
恋人はいた方がいい
住む家は快適な方がいい
敵は少ない方がいい
病気はしない方がいい
天災はない方がいい



・・・・・



うん、そうね。
願望なんて、挙げても挙げても、キリがないってことね。



5年くらい、病院生活で、
ここ半年くらいは意識もぼんやりとしていて、
点滴しながらベットに寝たきりだった
94歳のばあちゃんが先週末、亡くなった。
ばあちゃんは、何を思い、何を欲しながら、現世を後にしたかな。
自分が94歳までこの世界にいたら、何を思うかな。



金曜日、お葬式に行ってきます。

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mirai

中学校の頃の将来の夢「映画俳優」
高校の頃の将来の夢「映画監督」
実際は、シガナイ会社員です・・・・ でも、そんな自分が嫌いでもない(^^)

ただ、一つだけ言えるのは「叶う叶わないは別として、夢を持つ事は素晴らしい」と思う



by mirai (2010-02-19 06:52) 

チハル

miraiさん、おはようございます。
コメント&nice!ありがとうございます。

夢って素敵だと思います。
「夢を持つこと」に憧れます。
夢があれば、自分がもっともっと、強く生きられるだろうなぁ。

♪あれもしたい、これもしたい、
もっとしたい、もっともっとしたい~

ブルーハーツの「夢」はすごくよい曲だと思うのですが、育ててる夢があるのか、と聞かれると、みんながはっきりとしたビジョンをもっているわけではない。。。
でもだからこそ、こういうキラキラした世界に憧れて、この曲が人気があるのかもしれないな、なんて思ったりもします。
by チハル (2010-02-20 09:09) 

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