内心、Thank you [mind]

「ふたりで生きてゆけたらもう僕は 
世界中敵にまわしてもいいよ」
悩む君の瞳に 内心、Thank you

風当たり強い坂道をのぼって
あと5分だけ一緒にいたいな
そんな我儘も 内心、sorry

三叉路で見つめ合ったまま
動けない 影ふたつ
All I can say is "Thank you”.

「内心、Thank you」The東南西北(1986.4)
作詞:松本隆、作曲:久保田洋司






日本人は「3」が好き。
これ、有名な話。



アンケートなんかの質問に答える時に、こういうことが多々ある。
「はい」
「いいえ」
「どちらともいえない」



これ、本来おかしいと思わない?
質問の答えは、「Yes」か「No」しかないはずなのだ。
それが答えられない時点で、本当はその質問には答えていないことになるはず。
それなのに、多くの場合で、この「どちらともいえない」という答えが存在し、
かつ、それが受け入れられるのである。
不思議だと思わない?



しかし、人間、そう白黒はっきり決められることばかりじゃない、というのが本音。
「白でもなく」「黒でもない」そういうことがあるわけで、
「三叉路で見つめ合ったまま動けない」というシチュエイションもアリなわけで、
そのどっちつかずの状況が「バランスが取れている」ように感じる。
それは、椅子の足も3本あれば安定するってことと同じ。



「3」は永遠に割り切れないからいいのである。
「2」のように割り切れたりしないから、
対立しないから、好かれるのである。



「go」と「stop」以外にも答えがある。
こういう「曖昧さ」を日本人が好きだということがわかっているから、
松本隆はヒットメーカーなのだと思う。



ところで。
パリの凱旋門のロータリーは、
12本の道路が集まってる、って知ってる?
ビギナーは、一度そのロータリーに入ると、
なかなか行きたい道で曲がれなくて、
何週もぐるぐる回っちゃうんだって。
どこが曲がるべき道だったか、ワケわかんなくなりそう。。。
もう「三叉路」どころの悩みじゃない、って感じ?(笑)
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コメント 4

mirai

そこが日本人の変わっている所ですね
戦時中なんか、大和魂と言うだけで外国人がビビッていたのに、今はもう・・・・ でもこんな日本人だからこそここまで這い上がってこれたのかも知れないですね(^^)
by mirai (2009-11-28 17:02) 

omisa

YES・NOで、答えられないのが・・・日本人ですよね。
日本人の奥ゆかしさ・・・と、ゆうか・・・・。
松本隆の世界でもありますね・・・。
この曲、いいですよね・・・色褪せないメロですよね。
by omisa (2009-11-29 02:48) 

チハル

miraiさん、おはようございます。
選択肢が3つ、というところが、また、ある意味「日本人らしい」のかもしれませんね。それこそ、フランス人だったら、そこにいる人間の数だけの選択肢がある、なんて言うのかもしれませんよね。
いくらでもフリーダムに歩いてゆける社会になっても、どこかで歩調を合わせたがる、その国民性はよいこともありますよね。
by チハル (2009-11-30 10:34) 

チハル

omisaさん、おはようございます。
このグレーゾーンというか、言葉では言い表せないような「曖昧」な感情を持ち、そしてそれを認め合うというところが、実に日本人的なのかもしれませんね。よく、「あ・うんの呼吸」とか、言いますけど、やはりその環境に生まれ育ってきたからこそ感じる「空気感」があるのだと思います。
難しい!(笑)
「内心、Thank you」。名曲ですねぇ。今でも時々カバーしてくださる方がいるようですね。
by チハル (2009-11-30 10:41) 

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